詳細説明

石川産業の基準太陽電池セル

太陽電池の出力性能を正確に評価するためには、性能の高いソーラシミュレータを使用するとともに、それ以上に最適な基準太陽電池セルを用いることが重要です。基準太陽電池セルはソーラシミュレータの放射照度を設定するためのデバイスで、測定対象と同等の相対分光感度特性や光学特性、及び性能安定性の確保等が求められ、その設計・製作には非常に高度な技術が必要です。また、当然、信頼性の高い高精度な校正(値付け)が必須となります。石川産業が提供する基準太陽電池セルには、テュフラインランドジャパンの校正証明書が標準として添付されます。テュフ ラインランド ジャパンは、ISO/IEC 17025 認定を取得しており、二次校正サービスが提供可能な国内で唯一の認定校正事業者です。発行されるILAC-MRA*認定ロゴマーク付校正証明書は、国際標準へのトレーサビリティーが確保された校正事業者による信頼性の高い校正結果であることを証明しています。

*ILAC: 国際試験所認定協力機構、MRA: 相互承認取決

FAQ:よくあるご質問

1. 石川産業の基準太陽電池セルの優位性は何ですか?
依頼者からのオーダーメイドで基準太陽電池セルを製作することが可能です。そのため、測定対象と同じ太陽電池セルをご用意いただければ、基準太陽電池と測定対象の分光感度特性の差に起因するスペクトルミスマッチ誤差を限りなくゼロに低減することが可能です。また、石川産業が提供する充填型の基準太陽電池セルは、一般的な太陽電池に近い光学特性(指向特性/反射特性)を有するため、これらに起因する測定誤差を抑制することが可能です。特に光入射角度の大きなソーラシミュレータを使用する場合は、測定誤差を抑制するため、充填構造にすることが必要です。
2. 薄膜系を測定したい場合の基準太陽電池セルはどうなりますか?
薄膜系太陽電池が測定対象の場合、結晶シリコンセルに光学フィルタを装着して測定対象の分光感度特性に近似した擬似基準太陽電池を製作することが可能です。この場合、予め測定対象の分光感度特性を測定した上で、それに近似した基準太陽電池セルを設計することが可能です。また,光学特性を出来るだけ近似させるため、充填型とします。
3. 一次基準太陽電池、二次基準太陽電池とは何ですか?
一次基準太陽電池は、国際単位にトレーサブルな放射計、標準検出器または標準光源に基づいて校正された基準太陽電池です。国内では産業技術総合研究所で、海外ではNREL(アメリカ)、PTB(ドイツ)などの限られた国立研究機関のみで校正が実施されています。二次基準太陽電池は、一次基準太陽電池を基準として、ソーラシミュレータで校正された基準太陽電池です。国内ではテュフ ラインランド ジャパン等で校正が実施されています。産業界では二次基準太陽電池が広く用いられています。
4. テュフラインランドジャパンの校正証明書とはどういうものですか?
校正証明書には、標準試験条件(STC)における短絡電流(Isc)が校正の不確かさとともに記載されます。校正の最高測定能力は1.0%(信頼水準95%、k=2)で、国内外の他の校正機関と比較しても、最高水準の測定能力をもちます。また、分光感度特性測定結果とIV特性測定結果が添付されます。
太陽電池の出力測定の際には、トレーサビリティの確保された基準太陽電池を使用することが国際/国内規格で規定されていますが、トレーサビリティの証となるILAC-MRA認定ロゴマーク付校正証明書が発行可能な認定校正事業者(二次校正)は国内ではテュフ ラインランド ジャパンのみです*。石川産業が提供する基準太陽電池セルには、テュフラインランドジャパンの校正証明書が標準として添付されます。
5. 基準太陽電池の校正周期は?
国際規格に則り、校正証明書に有効期限の表記はなく、各ユーザーの責任にて管理いただく必要があります。基準太陽電池セルは使用中に性能変化が発生する場合がありますので、少なくとも1年毎に再校正いただく事を強く推奨します。校正後に性能変化が生じた場合、その変化分が直接測定誤差となります。
6. 再校正の依頼は石川産業にできますか?
石川産業が再校正の窓口となります。