熱電対は、高温から極低温領域までの幅広い温度範囲で用いられておりますが、熱電対の材質ごとに特性が異なるため、その温度測定環境にあった材質、形状、線径、被覆などを適切に選択する必要があります。石川産業の各種熱電対線・補償導線は、様々な使用目的への対応がわかりやすいよう、その形状毎に熱電対素線・被覆熱電対線・補償導線・シ-スワイヤ-・特殊熱電対線として分類しております。被覆材には、テフロン・ガラス繊維・セラミック・エナメル・ビニール等をご用意しております。
熱電対素線は、国際的な工業規格で規定される材料でつくられており、線径や長さを自由にカスタマイズすることができ、工業用または、科学研究開発の用途に最適です。被覆をしていないので熱容量が小さく応答速度に優れます。使用目的に応じ、一般用と高温用などが選択できます。低価格で高品質な熱電対素線を各種取り揃えております。
熱電対では異なる金属の接している点(接点)が測温点になります。被覆されていない熱電対素線を使用する場合は、それぞれの素線が測温点以外で接しないよう取付けに工夫が必要です。この不便さを解消するために熱電対素線にテフロンなどの被覆をしたものを被覆熱電対線と呼び、単線(シングルタイプ)と二重被覆線(デュプレックスタイプ)があります。
国際的な工業規格で規定される材料からつくられる熱電対素線は高価になりがちで、熱電対素線やそれを使った被覆熱電対線を測温点からデータロガ-などの計測機器まで配線し取付けることは実際の作業、費用面で大きな負担です。補償導線は、使用する熱電対とほぼ同等の熱起電力特性を持つ、より安価な金属線に被覆処理を施したものであり、熱電対素線と同様、各国で規格化され、熱電対素線の種類に適合した補償導線を選択する必要があります。補償導線を使用することにより、強度の弱い線径の細い熱電対などの計測器類への接続が容易になり、コスト削減も期待できます。
シース熱電対線(シースワイヤー)は、金属保護材(シース)の中に熱電対素線を電気的に絶縁する充填剤と一緒に封入した構造をもつ、一般の被覆熱電対線では対応が難しい高温領域や極低温環境、高圧下や真空雰囲気といった厳しい測定環境で主に使われます。シ-ス径やシース材、充填剤の種類、シース内に設置する熱電対素線などを測定環境にあわせて選択する必要があります。